ウィロー柄ビスケットバレル　リントンズのウィローパターン メイリング社製造1930年頃 こちらのビスケットバレルはイギリスで100年以上愛され続けている紅茶商リントンズが創業当時に馬車で家に紅茶をお届けするような、限られた英国家庭しか入手することができなかった激レアなティーグッズです。 リントンズのオリジナルであるウィローパターンを英国陶磁器ブランドMALINGメイリング社に特注し作らせた約100年ほど前のアンティークです。 メイリング社は1762年創業し1963年に惜しまれつつ閉鎖するまでの200年以上の間生産を続けた老舗です。 1980年代にリントンズが依頼して名窯WADEウェイド社にオリジナルウィローの復刻版をサイズダウンして作らせていますが、 こちらのビスケットバレルはメイリング社のオリジナルですので、イギリス本国でもなかなか出会えない貴重な一品です。 茶葉を入れるティーキャディではなく、日本ではなじみの少ないビスケットバレルは更に入手困難なアイテムです。 ヴィクトリア王朝後期に使われはじめた密封性のあるビスケットバレルは、ティータイムの度にビスケットを保存している容器から移し替えてテーブルに運ばれていたそうです。 今でもイギリス文化に紅茶とビスケットはかかせない存在ですが、このビスケットバレルはふたを開ければ中からビスケットの甘い香りがふんわりと漂ってくるようで、まるで当時の貴族のティータイムにお招きされているかのような気分を味わえます。 ブルーウィローのお話は、中国を舞台にした身分違いの悲恋に神様が「永遠の愛=鳥」の姿に変えて2人を結んだ、というものですが、ブランドによりデザインが少しずつ違うのもウィローパターンのコレクターにとっては面白いところです。メイリングによりリントンズのためだけに特別に描かれたウィローパターンは、橋の上にまだ鳥になる前の2人の恋人が描かれているので"Two-man”と呼ばれています。 サイズ12.5cm×12.5cm 高さ20cm (画像9中段左)メイリングの陶磁器図鑑に載っているリントンズのビスケットバレルと年代別の刻印 (画像10）馬車時代から続く紅茶宅配の伝統。馬車は車に変わったものの、紅茶１つからでもお届けするスタイルも、バスケットを持って家のドアまで届けるスタイルも、今も変わらない110年以上続く伝統。